新・rona9229の日本サッカー応援の軌跡

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多様性(ダイバーシティ)を生かす経営 京都サンガへの小さな提言

Jリーグにおいて、どのような組織の経営を行えばみんながうまく潤うリーグを創ることができるのか?経営が成り立っていくのか?

以前、マネジメントについて、OD(組織開発)の理論を参考にしていくつか考えたい、ということを話していたので、少し本来の意味とはずれるかもしれませんが、『ダイバーシティ(多様性)』という考え方を見つつ、これまでよく参考にしてきたジョン・スポールストラ著、中道暁子訳『エスキモーに氷を売る』(きこ書房、2000年)をひっぱり出してきて、参考にしながら、経営について考えてみました。

ダイバーシティというのは、本来、直訳すれば多様性という意味になり、様々なバックグラウンドを持った人々、人の持つ個性、能力、特徴、特技とか、各個人の多様性を組織内でまとめ上げ、組み合わせて(マネジメントして)、組織として大きな力や、成果を発揮する。そういう意味だそうです。

多様性、というものはどこにでもあらわれるものだと思います。人の構成にも確かに多様性は現れますが、一つ上のグループ構成(例えば宗教や性差・年齢構成のようなグループ)や、地域面にも、多様性は現れてくると思います。

詳しいことをあまり知らないので、イングランドの例を引くのはよくないのかもしれないですが、ロンドンでの各チーム、アーセナルチェルシーやQPRのようなチームの、ターゲットとする層はそれぞれ違うのではないか、これも多様性でないかと思います。

それぞれのチームは自分たちのチームを応援してくれる層(グループ)に、働きかけるようにしている。

多様性(ダイバーシティ)を認識し、自分のマーケットを熟知して、そこから最大限の利益をあげ、チームを運営している。

スポールストラの『エスキモーに氷を売る』を読むと、そのこと、つまりマーケティングとしてどの層を対象とするかが、第1章で真っ先に出てきます。スポールストラは言っています、「自分が誰だか見誤るな」、と。つまり多様性の中で、自分がどのような立ち位置にあり、それを把握したうえで行動しろ、というのです。

ジョン・スポールストラ、という人は、アメリカ・バスケットボールのNBAのチーム・ニュージャージー・ネッツというチームの興行成績を、劇的に改善したことで知られる人です。

ただその基には、ポートランド・トレイルブレイザーズというチームでの21年間の経験が反映されています。

著者自身が言っていますが、二つのチームを単純に並べても、日本人なら同じNBAのチームじゃないか、と、分かりにくいのですが、ニュージャージーというのはかなり大きな都会でマーケットの規模は大きく、逆にポートランドというのはどちらかというと田舎の町で小さなマーケットになり、ポートランドはNBAではサッカーにおけるプロビンチアにあたります。

だからスポールストラという人は、誤解を恐れずに言えば、プロビンチアで経験を積み、抜擢されて規模の大きなチームの経営を立て直した人です。(ちなみに当時のネッツにはのちにスーパースターになるジェイソン・キッドはいなかったと思います)

著者によると、ポートランドには、NFL(アメフト)、メジャー・リーグ(野球)、NHL(アイスホッケー)などの競合するチームがなく、トレイルブレイザーズは街で唯一のメジャースポーツだった、というようなニュアンスのことを書いています。

一方のニュージャージー・ネッツは9つのプロチームが近隣にひしめき合っているプロバスケットチームだったとのことです。

小さな田舎の街を上げて、どのようにその規模の小さいチームを応援してもらうか?成果を出すか?田舎の経済規模でいかにしてスポーツのプロ・チームを運営していくのか?

一方、巨大な都市圏で、競合するスポーツや、同じプロ・チームがある中で、どのように経営を成り立たせていくのか?

バスケットボールの話だとはいえ、それぞれ違うでしょうし、非常に興味があるところです。

スポールストラは根幹に触れて言っています。「勝っているチームのチケットが必ずしも売れるのではない」、と。そして勝ってはいるが、チケットがはけないチームがあることを指摘していきます。

そして言うのです、「自分が誰だか見誤るな」、と。つまり自チームや、自チームの観客を含めた全体の構成をつかめ、何が求められているかを知れ、と。

Jリーグにも都市のクラブで、驚異的な観客動員を誇るチームがあります。また田舎のチームでも素晴らしいスタジアムを持ち、観客を動員しているチームがあります。それぞれの工夫をいずれは調べさせていただきたいとは思いますが、都市には都市の、田舎には田舎の、工夫があり、それぞれの多様性に対応した経営がなされているのではないでしょうか。

しかしスポールストラは強烈なことを言います。「商品に期待するな」、つまり自分の売ろうとしているもの、スポーツチームに、欠陥があると認識しろ、というのです。

今、怒られたでしょうか?

京都サンガ欠陥商品だ、J2だし、弱い、だから応援したり、チケットを買いたくない、華がない」そういわれれば、僕も激怒するかもしれません。

しかし冷静に振り返ってみれば、全て当たっているといえば、当たっているのです。

人間誰しも欠点を持っているように、この世に存在するもので神や仏以外で、欠点や欠陥を持たないものはありません。すべての存在が、よりよくなるために生きているし、存在しているのです。ま、それは置いておきます。

ともかくです、スポールストラはいいます、自分の欠点を知り克服せよ、自分の長所を認識し、創りだし、それを生かせ、といいます。そしてそれが「自分が誰だか見誤るな」ということであり、自分の個性を、Jリーグという多様性の中で発揮することです。また自らの構成の多様性を把握することでもあります。

一度、京都サンガに引き付けて、実際例を検討してみましょう。

スポールストラは3つの点から自分の特性を再検討しています。

1.われわれのマーケットとは何なのか

2.商品をどうやって売り込むか

3.何をターゲットにするか

第1についていえば、われわれのマーケットはホームタウン、ということになるでしょう。つまり自分たちの手の届く範囲です。京都市城陽市亀岡市だけでも十分な規模のマーケットとなると思います。

ここを外さずに、手を広く広げないこと、自らの手の届く範囲を認識しろとスポールストラは言っています。これについては後述するかもしれません。

では、第2について、商品をどうやって売り込むか?

われわれの売れる商品とは何なんでしょうか?わざわざ来てくれる価値をどのように生み出せばいいのでしょうか?

京都が魅力的なチームであれば申し分ありません。華麗なプレーをし、J1で優勝争いをするようなチームだったら、一時的であっても、客が流れてくることもあるでしょう。

しかしJ2の下位に低迷しているチームのどこに注目してもらえと?

スポールストラは、相手チームのスタープレーヤーを売り込め、そういっています。具体的には、自チームの選手の名前を売るよりも、マイケル・ジョーダンや、パトリック・ユーイング(懐かしい名前だ・・・)でチケットを売り込め、そういっています。

ま、対戦相手に本田圭佑や、香川慎司がいれば、観客は大幅に増える、そういうことです。フォルランカカウがいれば、リーグ全体が客を呼べる。

これは、リーグを活性化させ、リーグ自体に魅力を持たせる、そういうことではないでしょうか。魅力あるチームが増えるほど、リーグは潤う。スタイルのあるチームや、勝っているチームとの対戦は貴重です。

またフランチャイズ・ビルダー(看板選手?)ということがNBAではよく言われますが、自チームを支えるだけではなく、リーグ全体を支えるような選手がいるということが、チケットを売るときに大切なのだと思います。

昔のカズや中山のような熱気が、中田がイタリアへ進出し、海外へ選手が続々と出ていくようになってからやや冷め、選手を取り上げたり、ほめることが減ったように感じます。

スタグル、マスコット、コラボのようなイベントもあり得ますが、かつて小野伸二がデビューした時のような、衝撃的な選手がデビューしてJで活躍してくれたらば、観客はぐっと伸びると思うのですが、マスコミの露出にせよ、選手の育成にせよ、もっとやれることはないか、という気はします。

自チームを掘り下げるだけでなく、対戦相手を掘り下げて(例えば小さくとも対戦相手の情報を広告としてショーアップして載せるとか!)、ストーリーを作り出すことは可能だと思います。

第2については、自チームや、他チームや、リーグ全体の魅力、サッカーの魅力を商品にしているのだ、と京都サンガにおいては定義しておきます。地域の魅力を加えることもできるかもしれませんが、それは今後の課題です。

第3についてはどのような層にアプローチするか、といいかえれます。

では、京都サンガは誰をターゲットにするか?

スポールストラは、スポンサー企業を通した招待券、仕事帰りのビジネスマンなどが今(1990年当時、特にニックス)はNBAの主な観客になっている。それに対し、家族や、個人の客などを対象に広告、マーケティングしてはどうかといっています。

京都サンガについては、スポンサー企業、ビジネスマン、家族連れ、個人のカテゴリーに分けて、試合によって(平日開催と土日開催)、多様性を把握したうえで、これを組み合わせてはどうかと思います。

ネッツでは家族連れを狙うことで観客が増え、観客が増えたことで企業が協賛し、企業の協賛によって会社の価値が上がる、というスパイラルが起きたようですが、ファンクラブへのアプローチ、サポーターへのアプローチ、構成や多様性へのアプローチを考えることで、チームを浮上させることを考えるといいと思います。

またスポールストラは各手法について、細かく切り込んでいっているのですが、ここまででも十分長くなったので、今日はここまでにしておきます。

ともかく3点を考えること。

1.われわれのマーケットとは何なのか

2.商品をどうやって売り込むか

3.何をターゲットにするか

を考え、それを多様性を基に分析しつつ、自分たちにあった、経営を考えていくことが必要だと思います。今日はここまでにとどめます。

・長かったのに付記

マーケットについて、ホームタウンというと漠然としていますが、通常は、ホームとするスタジアム近辺がホームタウンとなることが多いようです。つまり、時間や、交通手段を持ち、足を運べる人がいるところがホームタウンです。

京都サンガについていえば、つまり現時点では阪急沿線、終点に向かっては、西京極から、西院、大宮、烏丸、四条の地域が、大阪方向へは桂、長岡天神などがホームとする地域として考えられます。

スタジアムのある右京区西京区というくくりでも、ホームと考えられます。ただ生かせていないというか、もっと生かせる地域もあるのではないでしょうか?

わずかな距離なのですが、地下鉄の太秦天神川から西京極までシャトルバスを走らせてもらえれば、地下鉄東西線地下鉄烏丸線京阪線などとリンクすることができ、山科で滋賀、JR二条で北部、烏丸御池京都市中心部、三条京阪で京阪沿線と、一気にアクセスが向上し、これらから人々がやってこれることも考えられるのですが、ぐるりんバスというか、シャトルバスっていうのか、巡回バス?走っているんでしょうか?京都市と連携が取れていないのかな?地下鉄の集客にもいいのですが。一応付記しておきます。

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