新・rona9229の日本サッカー応援の軌跡

移行しました。単なる素人です。がんばります。 

『下町ロケット』  京都品質・京都プライド

下町ロケット池井戸潤小学館、2010)、という本を読みました。とても面白い本でした。内容は、うまく言えないのですが・・・、簡単にまとめると、下町の工場、規模の小さな中小企業が、研究を重ねて技術を開発し、それを武器に成長していく。そしてついには、その技術が国産ロケットの部品に採用されたり、多様な技術に応用されるようになる、という話だったように思います。

この話の中で出てくる企業のことを読んでいて、京都にある独特の企業群(あえて名前は挙げませんが)のことを少し考えました。独特のポリシー、夢をもって事業に当たっている点、そして何よりも、「研究を軸として企業の体制を整える」という点に、強い興味を覚えました。そしてその延長線上に、京都サンガのことを考えました。

京都サンガというチームは、あえて言いますが、残念ながら、今、大企業ではないのではないかと思います。もちろん、バックに控える企業、京セラ、任天堂、ワコールをはじめ、各優良会社を見てみると大きなチームのように見えます。天皇杯優勝という実績もある。しかし、世界でいえば、チェルシー、PSG、フィテッセのような、Jリーグでいえば、G大阪、神戸のような、そして残念ながら、「かつての京都」のような、バックの企業から、じゃぶじゃぶとお金を引き出すような企業ではないように思います。身の丈に合った、収入と支出の均衡のとれた、規模からいえば、中堅の発展途上のチームのように思います。

残念ながら西京極というスタジアムは器としては小さいし、また、その器も十分に埋め切れていない。基本的な収入、つまりファン層が弱い以上、積極的な経営に走れないのは現実的かつ冷静な判断だと思います。亀岡スタジアム(仮称)が待ち望まれるのも、収支を安定させるためであり、またチームのステップアップする起爆剤の一つなのだと思います。

しかし、だからといって、中小に甘んじていいのか?中堅に甘んじていいのか?そんなことはないのではないでしょうか。

下町ロケット』には佃製作所にちなんだ、「佃品質」、「佃プライド」という言葉が出てきます。そしてそれは京都サンガにも当てはまるのではないでしょうか。規模に関わらず、人間一人一人には無限の可能性がある。「京都品質」、「京都プライド」(紫魂ってやつです)というものがあるのではないでしょうか。

規模を考えていると、「なんでも大きくなければいけない」という考え方が出てきます。そうではない。発想を転換させ、規模が大きかれ、小さかれ「いい品質である」という考え方にすり替えるべきではないでしょうか。会社の生産力、収益力の規模のみに目をやるのではなく、特に研究セクションの能力、物づくりや価値の創造の能力に目を向けるべきではないでしょうか?

どのように研究を進めていくのか?それは京都サンガの自由です。戦術、集客、文化発信、広告、育成、様々なことがあげられると思います。しかしともかく、研究、つまり金の力や、数の力ではなく、知恵の力によって企業を運営していく、それこそ京都の目指す方向性ではないかと思います。

そもそもすでに選手の契約制度が変わり、3年前に京都サンガを取り巻く環境が激変してから、祖母井GMを先頭にした「育成」の方針、大木監督を中心とした「戦術」の蓄積、今井社長の地道な「経営」の改革は進んでいると思います。ですが、各方向性を一層、ぶれずにすすめ、かつ、深化してほしい。継続性を持って取り組んでほしいと思います。

もちろん、リーグのトップ争いをするチームを作ってほしいとは思います、戦術的に優れたチームが出来上がった時、育成からダイヤモンドが現れたとき(サッカーは一人の選手で大きな変化が起こることがあります)、より優れた選手が集まる経営が成り立った時、それは可能だと思います。しかしそれらは金でかき集めの選手で実現されるのではなく、意志と研究の成果、みんなが一つの方向を向いた結果として現れたものであってほしい。

お金をたくさん使う話や、現在の順位をとやかくいう話はでてきがちですが、僕は京都サンガが決して手を抜いているわけではない、また劣っているわけでもない、今は強くなる過程なのだと思いたいと思っています。

特にスカウト部門の強化が今年は進められたようですが、それがいい方向に出ることを祈りたいと思います。

強くなれ、京都サンガ

(敬称略)

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