新・rona9229の日本サッカー応援の軌跡

移行しました。単なる素人です。がんばります。 

「大木スタイル」から「京都スタイル」へ

広島—柏のゼロックス・スーパーカップで、2013年Jリーグが始まった、ドラマの幕が上がったのを見た。佐藤寿人のゴールはスーパーゴールだった。

京都サンガの試合は来週の3月3日のアウェイG大阪戦から始まる。どのようなサッカーを見せてくれるか、正直に言うと、わくわくしているが、大木監督の料理の仕上がりがどんな具合になっているかわからない、複雑な、大丈夫なのか、飛び上るほど素敵なのか、なんといっていいのかわからない心境だ。(まあ明日の岐阜戦で、ある程度は読めるのだが・・・)

昨年のシーズンが終わった後、「大木監督のパスサッカー(の熟成)」というフレーズが、京都サンガにはついて回るようになった。確かに見ていて面白い。パスは回るし、ぐりぐりとドリブラーはサイドをえぐっていく。昨シーズンは、攻撃的サッカーで、気持ちがいいゴールがいくつも決まった。

ただクローズという戦術、パスサッカーという定義はいまだにいまいちわからない。大木監督のサッカーって何?そして勝てるのか?勝てないのか?昇格できるのか?昇格できないのか?

面白さを追求している、魅せるサッカーをしているというのは感じる。だが勝つサッカーにはまだ到達していないのではないか、という疑問を抱いてしまう。

大木監督はローマのゼーマン監督のサッカーに影響を受けたという話だが、ゼーマンのサッカーは攻撃的だ。はまると得点を重ねる。しかしゼーマンのような攻撃的なサッカーは、昨シーズンのG大阪のように脆いときがある。今年は「大木スタイル」を「京都スタイル」に昇華させる、そう監督は意気込んでおられるようだが、攻撃が魅力的なだけに、脆い守備をどう堅くするのかに、注目してみてみたいし、手を入れてほしいと思う。

ドルトムントや、バイエルン、スイス代表を率いた、ヒッツフェルトが「緊迫した試合では、守備で圧力をかけることが、勝利へのカギになる」、そんなことを語っていた。ミランアッレグリも「攻撃と守備のバランスが重要」というようなことを欧州サッカー批評で語っていたように思う。

クローズはサッカー批評の何号かに詳しく理論が載っているそうだが、いまさらそれを引くことはしない。ボールホルダーの周辺に密集を作り、数的優位を作って、攻守の切り替えを上回る、ということだそうだが、僕にはいまいちわかりきれていない。ただ、昨シーズンまでの京都のサッカーには何かが足りなかった気がする。

「君子は豹変する」という。それは学習し、新しく自分を高めていくからだ。サッカー批評でのインタビューの後、大木監督の中でクローズは熟成され、変化しているはずだと思うが、攻撃にも、そして特に守備においても、進化していることを願いたい。

今年の補強は山瀬以外は地味だといわれたが、カンソンホ、田森が加入し守備MF、CBが強くなっている。高橋も戻ってきた。もちろんバキ、染谷のCB、福村、安藤のSBも健在だし、その前に秋本を置いて、守備は強くなった。酒井、内野、黄、下畠のバックアッパーもいる。(黄大城については守備以上に攻撃の左足のクロスの多彩さにも期待している、一列前でも通用する選手だ)守備の人材は豊富になった。水谷が抜けたのは不安材料だが、呉承訓の補強は心強い。児玉、杉本、山田には伸びを期待したいし、GKは若手が多い分、伸びれば層が厚くなると思う。あとは守備戦術がどうなるかだ。

パスサッカーといっても、いろいろある。オランダも、セルビアも、同じパスサッカーを標榜する国ではあるが、オランダは前線からのプレスを徹底し、2点取られたら5点取る、というアヤックスのサッカー・トータルフットボールだし、セルビアは鋼の守備の上にパスのファンタジーを構築するサッカーだ。ヤンセン・オフトのサッカーとペトロビッチのサッカーは同じパス志向でも似て非なるものだろう。そして大木サッカー、京都スタイルも、同じパス志向でも別のサッカーだ。

僕はキーフレーズ、「パスをつないで前線を崩す」、「攻撃的」、「魅せるサッカー」ということを重視しておいて、後はぼやかしておいた方がいいと思う。選手の手足を縛ってしまうと、自由な発想がなくなるし、機械が動くような戦術的なサッカーになってしまう。首脳陣から今年は「選手の自主性もいかす」という言葉も出てきているようだ。6割の独自の戦術と、3割の選手の自主性、残りの1割は流れ(運・神の手)に任せる。それが大木サッカー・京都スタイルになるんじゃないかなと思う。(そういえばオシムは選手に考えて走らせて、自主性を生かしてたなぁ)

そして勝てるのか?勝てないのか?昇格できるのか?昇格できないのか?この答えにこう答えてほしい。答えはわからない。だがこれまでは(勝つことや、昇格も重視していたが、)魅せる、美しいサッカーを追求していた。だがこれからは順位を逆転させ、勝つための執着心、ひたむきな情熱、紫魂を最重要視していく、と。昇格するための、勝てる美しいサッカーをする、と。

魅せる、美しいことを考えつつ、勝つ、昇格することを優先していく、そしてそのためのサッカーを展開していく。柔軟に、多様に。そのうちには守備のテコ入れということも入っているとは思うが、補強動向をみると、既に監督の中には絵が描かれているのかもしれない。

山瀬が「このチームにかけている怖さを加えたい」と話していたそうだが、つまりはそういう勝つための要素を僕が加えるということなのだろう。彼ならできる力があると思う。

3月3日、2013年大木サンガは出航する。勝利を目指して。J2は強敵ぞろいだが、最後には笑って終われるように願いたい。監督はすべてお見通しかもしれないが、京都にとって、素晴らしい栄光のシーズンの幕が上がるよう、祈っておきたい。

(敬称略)

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